今日のイベントを以て、3年間続けてきた同人サークルの活動を一時お休みということにした。詳細は前回のエントリの通り。
続きを読む170806 おしらせ
物語は情報や報告のように純粋にそのこと「自体」を伝えるものではない。物語はそのことを語り手の生の中にいったん沈めてからもう一度取り出す。だから、陶芸家の手の跡が陶器の皿に残るように、語り手の跡が物語に残るのだ。
――ヴァルター・ベンヤミン「語る人」
C92の新刊『アイドルのための物語』を入稿しました。そちらについてはトップの告知用のエントリをご参照下さい。このエントリは別件についてのおしらせとなります。
続きを読む170522 アイドルのライブに行ってきた(最高の日曜)
sora tob sakanaのライブに行ってきた。
ハイスイノナサというポストロックバンドを知っているだろうか? コンセプチュアルなサウンドと伸びやかな女性ボーカルが特徴的なポストロックバンドである。とりあえず動画を観てほしい。
ハイスイノナサ"地下鉄の動態" (haisuinonasa"Dynamics of the Subway")*1
動画を観て満足して読むのをやめてくれても構わないのだが、ハイスイノナサは女性ボーカルの鎌野愛氏が抜けて*2やや小休止しているバンドなのだ。
前置きが長くなったが、ハイスイノナサの中心的人物であるところの照井順政氏(ギター兼コーラス)が現在プロデュースしているアイドルがsora tob sakanaである。
ハイスイノナサのキレッキレの音に未成熟な女性ボーカルが乗っかると、とてもいいことがわかる。月2くらいのペースで定期公演が開かれている。最近は2枚目のアルバムが出たのでタワレコで頻繁にインストアライブもやっている。
sora tob sakanaはアイドルなので現場に行くことが出来る。
私はこれまでアイドル小説を書いていながらこれまでアイドルという人々のライブに行ったことがなかった。
ということで、人生初めてのアイドル現場はsora tob sakanaとなった。
*1:学部時代に舞台をやっていたころに映像まで含めて影響をモロに受けた動画。いま思うと微笑ましい。
*2:新しい方が加入したのだが新曲はまだない。鎌野氏は元the cabsの高橋國光と組んだりしている。こちらも良い。 https://soundcloud.com/onlyifyoucallme
170516 告知、あるいは私はどのようにして同人誌を完成させるのか
- 告知
- 副題に関して
- エントリを書いた背景
- 『冴えた約束の破り方』でやりたかったこと
- 「魔法が解けるとき」について
- 『冴えた約束の破り方』が生まれるまで、の前に宣伝
- 『冴えた約束の破り方』が生まれるまで
告知
5月20日のISF03にて松田亜利沙中心の小説本『冴えた約束の破り方』を頒布しました。
【2017年5月20日現在の最新情報を反映】
メロンブックスに委託中。
副題に関して
今回の本は私にとって非常に手応えがあった。これまでの本で最も感情が乗った。したがって「あるいは私のどのようにして同人誌を完成させるのか」ということで今回の同人誌を作ったプロセスを解説していく。ほとんど覚え書きなので「ふ~ん、コイツはこうやって作ってるんだ~」くらいの温度感で読んで頂ければ幸いである。
続きを読む170416 休日
就職した。4月3日から関西でしばらく研修があり、12日に横浜に移り住んだ。今日はその記念すべき最初の週末。
土曜は朝起きて、二度寝して、昼間に起きて残りは荷解き。二度寝は悪魔的だ。学生時代のルーチン化した二度寝とは違う、固い意志で敢行する、一種のチャレンジである。休日が貴重だからこそ、その魔力はさらに増した。部屋はワンルーム。自室にベッドがあるのは初めてで環境作りにやや戸惑ったが、ベッド下の空間はたしかに収納に便利だ。こと、この部屋は夜寝て朝起きるだけの空間であるから、いちいち布団を上げ下げするのも億劫であろう。適当に頼んだ寝具三点セットの枕が身体に合わないのだけが不満である。給料が入ったらまずは枕を探したい。
日曜日は考えられる限り最高の日曜日であった。いつも通りに6時に目を覚まし、二度寝してもまだ9時。そこから軽く読書し、最寄り駅前のジムに。カロリーの消費というものを考えたときに、水泳とは可能な限り最善の方法である。1時間かけて1キロほど泳ごうと思い描いていたが10年ぶりの水泳に私の身体は悲鳴を上げた。500メートルでものの見事に土左衛門と化した。これから週3、4で通いたい。昼は近所の(明日で閉店の)中華。主菜の量はしっかりあって辛さ抜群、ご飯はおかわり自由。失うには惜しい店だ。午後は喫茶店を探しに関内まで。喫茶店不毛の地かと思いきや(京都と比べてしまうとどうしてもそうなる)followerの方々に教えて頂き、なかなかなスポットに辿り着くことができた。カプチーノが別格。気さくな店主と常連との会話は、プロットを練るのにはちょうどいいBGMだった。キーボードを叩くにはやや店主と客が近すぎるようだから、とりあえずは読書や軽い作業用だろう。夜はとんかつ。いまは心地よい疲労感と満腹感に満たされている。
素晴らしい週末だった。素晴らしさを積み重ねていきたい。
170323 卒業に寄せて
3月をもって大学院を卒業します。それに伴って学部4年間、大学院2年間を過ごした京都を離れます。春からは東京で就職します。振り返ってみると非常に短い、しかしながらひとつひとつの思い出を吟味すると永遠とも思えるような6年間でした。
私の大学生活は3つのコミュニティに支えられていました。舞台系サークル、SF研究会、そしてインターネットの同人界隈。どの場所でも素晴らしい友人に恵まれたことに感謝します。
舞台系サークルはインターネットではあまり詳らかにしてきませんでしたが、高校時代からずっと憧れていたサークルでした。私の大学生活での人間関係の基盤となってくれた場所です。大学最初の3年間はずっと寝ても覚めても舞台のことを考えて仲間(「仲間」と恥ずかしげもなく書ける友人を得たことに感謝したい)と稽古に励んで、キャンパスを移って周りの仲間が少なくなってからの後半3年間はウチで呑んだりボドゲしたり麻婆豆腐や餃子を作ったり麻雀を打ったり、かえって友情が深まったように思えます。いちばん思い出深いのは3回生の春に上った舞台です。高校生の私が夢に見ていたあの場所に立っていたというだけで、今でも思い出の特別な場所に収められています。
SF研の方々には、入部当時4回生の新入生だった私を歓迎してくださったことを感謝します。特に入部前にtwitter上で交流があったおかげで直接のきっかけを作ってくれたO氏とF氏に深謝します。SF研は「これ!」というビッグなイベントよりむしろ、延々スマブラや麻雀で遊んでいたこと、手近に転がっていた本をなんとなく読んでいたこと、あるいはスポーツチャンバラをしなかったことだったり読書会で適当な茶々をいれたりしたこと、日常の小さな一場面が思い出されます(京フェスにあまりコミットしてなくてごめんなさい)。キャンパス移動で前述の場所が失われてしまった私にとって新しい居場所でした。ありがとうございました。
インターネットの皆さまありがとうございました。まさに合縁奇縁と言うべき場所でした。私の大学生活6年間を振り返ったときに、最終盤は同人活動とともに思い出されます。いま考えても不思議なくらいスピード感のある活動でした。いつもネタにしているように、4月にほとんど初めて二次創作を発表し、6月に同人イベントに申し込んだら9月には本を配っていました。活発に活動できたのは、同じくミリオンライブの同人で活動される皆さまや、別のジャンルで書き物や描き物をしてながら応援してくださった皆さま、すなわち優れた先達、友人がいつも周りにいてくれたからこそです。ありがとうございます。緩やかな連帯感の存在したインターネット同級生の皆さんが遠い地で必死に生きている様子にはいつも力を貰っていました。関西で同じジャンルで活動していた同人作家の皆さんとは、年齢が近いこともあって同人活動を越えた交友を深めることができました。ありがとう。働きつつ活動に励んでおられる先達の方々に敬意を表します。私も労働と同人を両立させるべく努力します。
最後に、このエントリを最後まで読んでくださった皆さまに深い感謝を示します。恵まれた大学生活を送ることができたのは、私にお付き合いくださった全ての方々のおかげです。
ありがとうございました。