箱庭療法記

みんなそれぞれ自分のようになるんです。

240930 2024年9月度月報

  1. 趣味
  2. 健康
  3. 財政
  4. 仕事

各目標の進捗状況

  1. 趣味
    1. ラノベ:公募への応募、完!!!(11万字でフィニッシュでした)
    2. ジャズ:16枚(昨年11月から累計104枚。目標の100枚達成!!!
  2. 健康
    1. コンビニ:ゴリゴリ行った……、がポテトを揚げたやつだけは避けた…………。
    2. ジム:4回(累計102回。年間143回ペース。修正目標の年間150回に対してビハインド。原稿の追い込み期間は完全に止まっていた)
  3. 財政
    1. コンビニ:同上。
    2. 本屋:原稿が終わった日にだけ買いました。まあ、悪くないでしょう。
  4. 仕事
    1. 外注マニュアル:社内で展開中。
    2. 中国語:PJ凍結中。
9月はラノベの原稿の完成・ジャズの累計100枚達成とプライベートでは進捗のあった一ヶ月でした。ただ、1週目に初めての新型コロナをやってしまいまして、様々な面でマイナスがありました。メンタルも一時的に崩しました。ただ、その反動で一気に原稿・ジャズが進んだという考え方もある。
9月の一冊は『アーモンド入りチョコレートのワルツ』(森絵都)、一枚は選ぶのが難しいけど敢えて決めるなら『Interplay』(Bill Evans)ですね。今月はビル・エヴァンスをよく聴きました。

本の感想

①『出来高・価格分析の完全ガイド――100年以上普遍の「市場の内側」をトレードに生かす』(アナ・クーリング)

「マーケットの動きは機関投資家によって支配されている」という強烈な世界観の本だった。であるが、私が教科書としている、オニールやミネルヴィニ(要するに、出来高を伴ったボックスからのブレイクアウトこそ仕掛け時だという主張)も同様の世界観を有している。本書は、機関投資家をさらにドラスティックに「インサイダー」と呼ぶ。世界観こそ強烈だが、内容は非常に教科書的。出来高の分析はこれ一冊を枕元に置いておけば足りそう。ただ、あくまで「教科書的」なので、チャートの現物と見比べて実践しなければ自分の技術にはならないだろう。

②『アーモンド入りチョコレートのワルツ』(森絵都) 

上手すぎて頭おかしなる。再読。初読は二次創作が軌道に乗ってた働き始めてすぐの頃か。当時はぼんやりと「エモいな~」くらいしか感じてなかった気がする(たしか表題作への感度が低かった)のだが、自分で登場人物から舞台からぜんぶフルスクラッチで真剣に書いてるいま読むと震える。
三本の短篇集なのだが、どれも物語のセットアップが滑らかで作為を感じさせず、気付いたら物語の中に誘われている。
今回好きだったのは「彼女のワルツ」。不眠症の中学生の男女が旧校舎で逢い引きし……、という筋書き。嘘と赦しが大きなテーマとして据えられていると思うんだけど、「嘘」が真ん中にある、中学生の(狭い)視野から覗き見られていた世界が、ある瞬間にガラリと変容し、「赦し」を与える/与えられる高次な世界へとなる。気付いたら「いつ変わった?!」ってキョロキョロしていた。
感情が落ち着いたらもっと分析的に再読します。
大人がナチュラルに子供を書こうとすると、世界が広すぎるか狭すぎる人物になるせいで、そこからグワッと世界の大きさが変わるような、世界の変容(カタルシス)が訪れない。カタルシスを起こせるちょうどいい、しかも「子供らしさ」を有している世界の大きさ(スイートスポット)があるんだと思う。
本作もそうだし、この前読んだあさのあつこや吉本ばななも、スイートスポットを狙うのが巧みなんだな。(じゃあ、その「スイートスポット」ってやつを屏風から出してみせてよ!!!!!!!!!)

③『成長株投資の神』(マーク・ミネルヴィニ)

成長株投資の雄であるマーク・ミネルヴィニが他の成長株投資家を招いて、4人で一般投資家からの質問に答える。彼らは「規律」を重んじるが、類書を読み込むうちに、それは「待つこと」であるとわかってきた。適切な銘柄が、適切なポイントに達するまで手を出さない。一度ブレイクしたら陰るまで手を出さない。待つこと。迷った時に読むべき本として覚えておこう。

④『会社四季報プロ500 24年秋』(東洋経済新聞社)

眺めました。利回りがボックスの底になることを示すグラフがあり、ない発想だったので学びだった。

⑤『会社四季報 業界地図2025年版』(東洋経済新聞社)

眺めました。金融、ソフトウェア、toCは本当に土地勘ないなあ、と思いました。

⑥『3年で3人の「シン億り人」を誕生させたガチ投資術』(DUKE。)

眺めました。概ねオニール本とミネルヴィニ本を読めばよい。目標株価の出し方は実践的で面白い。これで氏の著書は3冊とも読んだことになるが、巻を重ねるごとに高度にかつ読みやすくなっていると感じた。それにしても、読んだと公言しにくいタイトルである!

⑦『株式売買スクール実践編 成長株早期発掘法』(ギル・モラレス、クリス・キャッチャー)

読める部分は読みました。オニール、ミネルヴィにのさらにアップデート。フォロースルーデーを神聖視しないようにというのはなるほど感あった(その間にも伸びている銘柄はあるので)。本書の特長には、チャート読みのためのドリルが付いていること。ゆっくり解いてみよう。

⑧『生成AIの法的リスクと対策』(福岡真之介、松下外)

類書の中だと微妙……。平積みになってたから一番売れているのだろうが……。論点は出されているが、それが整理されていない(生成AIに固有のリスクなのか、そうでないリスクなのか)印象を受けた。

⑨『青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない』(鴨志田一)

読みました。高校編の読ませ所ですね。この巻からシリーズのジャンルがギャルゲーのフォーマットを踏襲したラブコメから家族小説へとスイッチしていく。

ジャズ

①『ELECTRIC RIDER』(馬場智章)

馬場智章がメインのBLUENOTEのライブに行くのでその予習。タイトルの通り、エレクトリックなサウンドが(良い意味で)伝統的なジャズっぽくなく、『BLUE GIANT』の宮本大のサックスとは全然違う(馬場智章は宮本大のサックスを演じていました)。ロックぽさも感じられた。

②『The Trio』(Hank Jones)

ピアノトリオっていいものですね。「Now's The Time」「My Funny Valentine」といった名曲がいいし、1曲目「We're All Together」もいい。

③『Gerry Mulligan Quartet Vol. 1 (Expanded Edition)』(Gerry Mulligan)

ピアノレスカルテットな1枚。地に足のついてなさが良く、浮遊感に富んでいる。胸が躍る。

④『Interplay』(Bill Evans)

1曲目「You And The Night And The Music」が飛び抜けて良い。フレンドリーなメロディが少しずつアレンジを変えられながら繰り返されて印象的。特にトランペットが加わるのが素直格好いい。メロディの繰り返しからのソロがイケてる。各楽器とも聞き応えがある。

⑤『Sometimes, Late At Night』(Jharis Yokley)

柳樂光隆氏の紹介ツイートがきっかけで聴きました。ドラマーのJharis Yokleyは、手数が圧倒的に多くにもかかわらず正確に叩き続ける。柳樂氏は「人力ドラムンベース」と評していたがまさにその通りだ。これが打ち込みではなく、人力であることに(誇張ではなく)感動する。もし叶うならライブで生で味わってみたい。

⑥『Mulligan Meets Monk』(Thelonious Monk)

ツカミの「'Round Midnight」が凄い。セロニアス・モンクのナンバーに負けずにジェリー・マリガンがサックスで聴かせる。タイトルに偽りなしの「Meets」だった。

⑦『Answer to Remember II』(Answer to Remember)

現代的な音の多さに私のリテラシーが足りてない気がする。また訓練を積んだら聴きます。

⑧『Infinite Search』(Mitoskov Vitous)

モダンジャズからフュージョンへと時代が移ろう端境期を代表する一枚。モダンジャズの味わいがまだ残っており、かなり聴きやすい。マイルス・デイヴィスの『Bitches Brew』からの影響があるとの記事を読んだが、たしかに感じる。

⑨『The Bill Evans Album』(Bill Evans)

面白い! ビル・エヴァンスが電子ピアノも使う一枚で、モダンジャズのファンからは評判が芳しくないらしいんですが、2023年にジャズを聴き始めた人(つまり、電子音楽とか日常的に聴いてる人です)にとってはスゴい格好良く聞こえた。電子ピアノとアナログ楽器のパッチワークが綺麗に繋がっている。「Waltz for Debby」もいいね。

⑩『Gretsch Drum Night At Birdland Vol. 2(Live)』(Art Blakey他)

ドラマー4人がストイックにドラムを鳴らす。コンセプチュアルだが難解。

⑪『At The Montreux Jazz Festival』(Bill Evans)

ピアノのビル・エヴァンスがリーダーだが、彼一人が支配することなく、ピアノ、ベース、ドラムの三者のそれぞれに聴かせどころが設けられている。ベースとドラムだけのパートも数多くあり、聴かせる。全体を通して落ち着き払った一枚で、心が安らぐ。

⑫『Portrait In Jazz』(Bill Evans)

端正やねえ。トリオの各パートに聴かせどころのあった1967年録音の『At The Montreux Jazz Festival』と比較すると、1958年の本作はビル・エヴァンスがリードしている感がある。そして、そういう構成だからこそ「Autumn Leaves」「Blue In Green」の良さがある。月並みですが、「モダンジャズ聴いた~」って気持ちになれました。

⑬『TOKYO '96』(Keith Jarrett)

キース・ジャレットのピアノもさることながら、ドラムのジャック・ディジョネットが良い仕事している。ピアノの繊細さを活かすほど同じく繊細な演奏。ニュアンスが豊富っていうのかな? ところで、ついに「このフレーズ、あの曲で聴いたことある!!!」ってやつに出会えました。ジャズを聴き始めて1年、かなり良いアハ体験でした(「It Could Happen to You」が「Bye Bye Blackbird」に使われているフレーズを含んでいた)。フレーズを聴き取れるようになったこと、データベースが充実したことと二つの点で嬉しいですね。

⑭『Planet Jazz』(Sonny Rollins)

ベストアルバム的なやつは後にしようと思っていたのだが、知らずに手に取ってしまった。だが、モダンジャズのスタンダードナンバーが豊富な本作は今まさにこのタイミングで聴くべき一枚だったかもしれない。ソニー・ロリンズの「'Round Midnight」「Four」は歌うような曲だった。

⑮『Lighter』(CRCK/LCKS)

夏頃に聴いたはずなのに記録が漏れていたので。「傀儡」が最高。

 

(おわり)