箱庭療法記

人々がきらきらする様子に強い関心があります。

2300818 小説の書き方について考えてみた。

fedibird.com

昨年参加していた『文体の舵を取れ』会のクルー仲間だった阿部登龍さんが興味深い投稿をされていたので便乗して考えてみました。

「都度前に戻って磨きながら書き進める」か「とにかく一度書いてみてから磨き上げる」か

最新の小説を書くまでの私は「都度前に戻って磨きながら書き進める」派でした。なぜなら、戻って直しながら書くことそれ自体に楽しさを感じていたからです。毎回、前日のパートを磨いてから書き始めていました。また、こまめに前後して見直しながら前進することで、物語がより洗練される感覚もあったからです。一方で、私はそのやり方にコンプレックスを抱えていました。戻る都合上、速度が出ないのです。
そこで、最新の小説ではやり方を改めて「とにかく一度書いてみてから磨き上げる」を試してみました。これはバチッとハマり、猛烈な速度(それまでの四倍の速さ)が出ました。ただ「都度前に戻って~」のやり方でやっていたときと比べると、書きながら洗練していく感覚は薄かったように感じました。また「とにかく~」のやり方を貫徹するためには、あらかじめ詳細なプロットを必要とするとも感じました。
結論としては、ありきたりですが、次の小説では「両者のバランスを取りながら書く」で書いてみるつもりです。つまり、それまでの「都度前に戻って~」よりも長いパート(例えば、一幕単位)で「とにかく一度書いてみて」、一段落してから、前に戻って磨く、とか。
振り返ってみると、新しい書き方にチャレンジしたことは、自分の書き方を見つめ直す良いきっかけになってくれたと思います。

 

プロットについて

プロットについては、最新の小説を書くまでは「第一幕の終わりくらいまで詳細に決めて、第二幕は大まかに決めて、第三幕は流れで進める」という感じでした。この書き方の好きだった点は、考えながら小説を書ける点でした(考えることそのものが楽しいのです)。ただやはり、このやり方も速度が出ないコンプレックスに繋がっていました。考えるから進まない、進まないから考える、の悪循環に陥ることもしばしばあったのです。
最新の小説ではプロットに対する向き合い方を大きく改めてみました。「第一幕から第三幕まで全て詳細に決めてから進める」という方法で試してみました。これもまたコンプレックスを解消する助けになりました。とにかく速く書けました。プロットを詳細に決めるプロセスでいっぱい考えられますし、書きながら悩まずに済む。それで分かったんですけど「考える」≠「悩む」なんですよね。
書きながらで考えるリソースをどこに割くかって問題だとも思います。ストーリーテリングに割きながら書くか、表現に割きながら書くか、考えずにとにかく書くか。これもまた月並みですが、バランスの問題なんでしょうね。必要に応じて方法を切り替えながら書けるのがベストなんだと思います。

 

阿部登龍さんの最新作『龍と沈黙する銀河』の掲載された一冊。

円城塔と同じ誌面に載れるの羨ましい!

 

『文体の舵を取れ』は、私は色々あって途中で止まってしまったのですが、途中まででも自分の書き方を意識することになるので良い体験でした。

 

P.S.

ラノベの賞に応募するために新作小説を考え始めました。

申し込みの目標は来年九月末の「小学館ライトノベル大賞」です。