箱庭療法記

人々がきらきらする様子に強い関心があります。

231227 『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』(3回目)感想 #青ブタ

映画『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』の3回目を観ましたので、改めて発見したことなど手短に書きます。

 

複製原画の袋は婚姻届かと思ったよね。

まず、3回目を観て改めて確信したんですが、咲太くんと麻衣さんって、梓川家にて日常的に性行為に及んでいませんか? 私は及んでいると思う。みんなはどう? というのは、作中で麻衣さんが梓川家を訪れた際に「咲太の好きなお泊まりセット」って言い回しを使っているのですが、これには二つの意味が込められている。「咲太の好きな」という表現は、咲太が好きになる程度に回数が重ねられていることを暗示している。「お泊まりセット」という表現は、麻衣さんがお泊まり用の衣類・アメニティをセットにできる程度には来慣れていることを仄めかしている。つまり、そういうことだと思います。花楓ちゃんの入院の日とかにそういうことしている可能性が高いと思います。花楓ちゃんも大変だ。

で、日常的に性行為に及んでいることを前提として書くんですが、麻衣さんのマネージャーさん(涼子さん)の業務も過酷だなとしみじみとしてしまいました。夜に撮影の終わった担当の女優さん(麻衣さん)をロケ地の山梨から彼氏(咲太くん)のお家の藤沢まで送り届けて、彼氏のお家にお泊まりさせてあげて、その後に朝一で藤沢から山梨まで再び送ることになる。いや、大変ですよ、これは。いっぱい給料が出てるといいなと思いました。

で、与太話はこの辺にして。

今回の発見は、向こう側の世界(理央ちゃん言うところの「可能性の世界」)の放課後に、母親に電話を掛けた咲太くんの沈黙ですね。彼が母親に何かを言いかけて逡巡して結局言わずに電話を切るシーンです。初見、二回目ではあそこで彼が何を言いかけたのか(母親に伝えたかったのか)を掴みかねていたんですが、三回目にしてようやくわかりました。

感謝、ですね。

ラストシーンで母親に伝えたことが、電話口で言いたかったことそのままでしょう。可能性の世界で母親に感謝を伝えることもできる――けれども、可能性の世界(の元気な母親)は彼自身のものではなく、彼には向き合うべき本当に世界(の入院中の母親)がある。まさにそれを自覚したシーンだと、今回の私は理解しました。その入院中の母親にお見舞いに行くシーンの意味合いも三回目だと流石に気付いて、彼、病棟で迷ってた(=お見舞いが初めてだった)んですよね。二年間で初めて。つまり、二年間ずっと母親の顔を見ていなかったわけで。その空白期間が何を生んだか、というのが今回のストーリーそのものでした。

や、いい映画ですね。『青ブタ』シリーズ、こころの柔らかいところにヘンな刺さり方してじんわり染みてるんですよね。

大学生編、不安が勝っていますが、それでも楽しみです。