箱庭療法記

人々がきらきらする様子に強い関心があります。

200318 鍋に指輪を擦って生きていく

大切なお知らせ

日頃より吉﨑の活動を応援してくださっている読者のみなさまに向けて、大切なお知らせがあります。

一部報道にございました通り、このたび、吉﨑は大切なひとと婚約しました。

届け出は9月に行う予定です。

変わること、変わらないこと多くあるかと思いますが、みなさまにはこれからも変わらぬご声援のほどをいただけますと幸いです。

(文責・吉﨑)

 

ということで、婚約しました。

一般的には婚約に際しては男性側が婚約指輪を贈り、女性側が腕時計を贈る習慣があるらしいのですが、私たちは式を挙げないこと互いに同意しており、かつ私は執務中に腕時計を外す悪癖があるので、結婚指輪をオーダーし、贈り合いました。

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指輪

この指輪をつけて生活を始めて1ヶ月近く経過し、指に馴染んできました。

左手の薬指に指輪が装着されていることに慣れる過程は、たぶん眼鏡のそれに似ていたんだろうなと感じています。(眼鏡はもう何年かで20年選手になるので、当初の違和感はすっかり忘れてしまいましたが)

着けてから1週間ほどで「違和感」の角が丸まって、今は「存在感」くらいのポジションに落ち着いています。

たまに外したりしているとかえって落ち着きがなくなっている自分に気づいたりしますね。指輪をつけたまま顔を洗ったり化粧水を塗ったりするのにも慣れてきました。(5本の指で面を作るのではなく、手のひらの面を使うと指輪が顔に当たらない)

 

さて、指輪の候補は複数あったのですが(たとえば、NIESSINGの「AURA」*1はかなりイカしてたと思う)この指輪の選定に際して次のような会話があったと記憶しています。

「傷が入っても味わいがありそうでいいね」

ほかの候補のリングは指に嵌めたその日こそ綺麗だろうけれど、傷が入ると「損なわれた感」が生まれそうで選ばれませんでした。

指輪って大切なもの(だし、末永く着けていくもの)だけれど、日常使いするんだからこそ、そういうのを織り込めるデザインだといいよねって。

 

指輪、着け始めてその日に小傷が入りました。

鍋を洗っていた時でしょうね。カツカツと金属同士が触れ合う音にイヤな予感はしていました。擦り傷ってこんなに簡単に入っちゃうものなんですね。

もはや真っ新ではないことを見つけたその日こそけっこうガッツリ落ち込んだり「傷が入っても味わいがありそうでいいね」って決めたんだからと言い聞かせたりしておりましたが、最近はそう言い聞かせる必要もなくなってきた気がしています。

日々をともに過ごす曲面を眺めていると、日々の履歴がひそやかに刻まれているみたいで、これも悪くないかな、なんてうっとりしています。

 

そういう感じで、大切にしつつも、鍋に指輪を擦って生きていこうと思います。

今後ともよろしくお願い致します。

 

 

大切でもないお知らせ

2020年3月18日付けで pixiv の『七尾さんたちのこと』の【冬】を連載版から書籍版に差し替えました。これにて【春】から【冬】までの全4部のすべての書籍版が pixiv で読めるようになりました。

2018年3月18日から連載を始め、2019年3月18日に連載を終え、本日でさらに1年が経っちゃったんですね。

公開の前日の17日にGREE版が正式クローズしたその日には大阪の研究所でぼんやりと見慣れた画面を更新していたり、決然と見送るつもりだったのに朝5時に目覚めたから実はボイスデータだけでもとサルベージしていたり、ホントは鴨川で迎えたかったのに迎えられなかった、そういう寂しさをよく覚えています。

そして、最期まで心の底からは愛してあげることができなかった寂しさもまた覚えています。

その寂しさの先、グリマスには本当はかくあってほしかったその先のビジョンを自分の手で描けた(心底そう思える)のは、幸せなことでした。

『七尾さんたちのこと』の書籍版に関しては、メロンさんからはそろそろ引き揚げの要請が来そうだし、自家通販のboothの在庫は来たるべき引っ越しの際に手放すつもりでいます。

「いつまでもあると思うな親と同人誌の在庫」などという格言もございますので、もしまだお手にされていない方がいらっしゃいましたらどうぞお早めに。