箱庭療法記

人々がきらきらする様子に強い関心があります。

211104 ブンカジ練習問題①

ル=グウィン先生の『文体の舵をとれ ル=グウィンの小説教室』を手慰みに始めました。

手法はわかったけど書くべき事柄が見つからないので適宜にそのときの俺の近くにあった漫画なり小説なりアニメなりの二次創作の体裁で練習問題を解きます。

 

練習問題① 文はうきうきと
問1:一段落~一ページで、声に出して読むための語りの文を書いてみよう。その際、オノマトペ、頭韻*、繰り返し表現、リズムの効果、造語や自作の名称、方言など、ひびきとして効果があるものは何でも好きに使っていい――ただし脚韻や韻律は使用不可。

 

『ワンダンス』20話(3巻)より
 「黒い」宇千(うせん)さん寄りの曲っつったって、よく考えたら俺、「誰だれ寄りの曲」とかダンスで意識したことなくって、ズン、って鳴ったらグッ、て溜めて、溜まったらパっ、て放(はな)って、デンデン太鼓みたいに腕とか振り回すしか考えたことなくて、逆に音楽が始まれば吃(ども)るとか孤独とか感じたことなくて「色?」じゃあデンデン太鼓の「赤?」ってそういうことじゃなくって、宇千さんもたぶんブラック・ミュージックの「黒」じゃないよな。伊折(いおり)先輩の言うとおりだとして――あっ恩ちゃん先輩が前に出て、色を持ってるはずの人だから、いや先輩はそういうので今、鳴ってる音を大事にする人だから、曲で自分を形容するよりつまり「色?」自分を持つってことか? 毛色? 曲に合わせるってことか? 迎合?ってことじゃないよな。

 

問2はまた今度やります。

題材は同じくワンダンスからダンスをワンシーンでやります。

 

追記 やりました

一段落くらいで、動きのある出来事をひとつ、もしくは強烈な感情(喜び・恐れ・悲しみなど)を抱いている人物をひとり描写してみよう。文章のリズムや流れで、自分が書いているもののリアリティを演出して体現させてみること。

 

『ワンダンス』ダンスバトルの練習風景(創作)
 伊折(いおり)先輩がフロアに放(ほう)って、白い帽子(キャップ)のボトルが小踊る。俺たちの間で転がるこいつが決めるのは、初めの1ムーブを踏み出す権利が湾田さんか、俺か。ナンバーは……何回か聴いたことある四拍子だけどなんて曲だったか。キャップが向いたら先攻、ボトムが向いたら後攻。こっちからいやあっちからと揺れるボトルの中身が一瞬、水の王冠、を作って俺が被りたいからキャップよこっちを向けと祈って見詰められた水は踊り続けてボトルだけが止まった音を俺は聞いた。